韓国南部の山に登る:2023年6月16日〜20日,参加者 10 名 |
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今回の韓国例会では3人の朴さんに大変お世話になりました.JAP海外会員のリーダー,3連泊でお世話になった河東のペンション「二石停(亭)」の朴さん(リーダーの元同僚),晋州城,智異山のガイドをしてくださった釜山の朴さん(リーダーの後輩).
そして何より雨男のリーダーがおられるのに韓国滞在中快晴に恵まれました.それからリーダーが厳選してくださった,日本では食する事の出来ない美味しい韓国料理に全員が大満足し,大変充実した素晴らしい例会が行えました.本当にありがとうございました3人の朴さん.
6月16日 1日目: 関西空港から11時に韓国の釜山へ向けて出発,12時半に到着.リーダーの出迎えを受け,早速レンタカーの手続きをして2台で晋州へ向かう.約2時間で晋州城の駐車場に到着.韓国での車の運転は久しぶりで緊張しました.そして今回登山ガイドをしていただく釜山の朴さんと15年振りに再会(以前槍ヶ岳,智異山,台湾の玉山をご一緒する).その朴さんの案内で晋州城を散策する(普州城は1592年の文禄・慶長の役の時に金時敏将軍がわずか3,800人の兵士で2万人の日本軍を撃退した韓国大勝地の一ヶ所).
散策後,河東滞在中の食料や必要な物を近くのスーパーで調達.その後,地下駐車場に停めていた車の鍵が行方不明になるというハプニングが起こりました.筆者がドアロックを解除した後の出来事なので必ず近くにあると思い,車の室内からトランクの隅々を再々探したが見つかりませんでした.ひょっとしたらトランクに移す時にスーパーのショッピングカートの中に落としたものと思い,従業員の方に探してもらうが該当のカートの所在が分かりませんでした.途方に暮れていると,参加者の一人が再再再々度トランクの荷物をすべて出し探されると暗くて見にくい隅っこに鍵を発見.30分時間を浪費しましたが無事に解決.よかったよかった,そして何より大安堵.皆様ご迷惑をお掛けしました.
予定より遅れましたが6時半に河東の「二石停」に到着.河東の「二石停」は蟾津江の支流で両側は1,000m位の山に挟まれた扇状地の果樹栽培で有名な所らしです.平屋の豪華な広い建物で離れにオンドル部屋があり,部屋に囲まれたデッキにバーベキューが出来る広い屋外テーブルが置かれ全員感激する.部屋割りをして近くの韓国料理屋で夕食と美味しいマッカリをいただきました.
「二石停」に帰るとリーダーが釜山から特別に調達してくださった韓国で特に美味しいと言われるマッカリを十分にいただき,10時頃に床に就きました. 6月17日 2日目【智異山(ちりさん)登山 組】: 今日は朝から快晴で,暑くなりそうな一日です.朝4:30に起床,腹ごしらえをして,5:30出発です.3名は智異山登山を回避して順天湾湿地・仙巌寺の散策に向かわれたので,釜山の朴さんを含めた計8人での登山です.
釜山の朴さんと途中の駐車場で落ち合い,登山口に向かいます.登山口には途中からシャトルバスに40〜50分乗るのですが,釜山の朴さんのおかげで,通常車の入れない道を登山口まで走れました.途中で歩いている人たちの「なんや,あの車は」という非難がましい目を少し気にしながら,優越感も感じながら登山口につきました.約1時間の短縮です.下車後5分で登山口につきました.
智異山頂上1,915mを目指します.智異山という名前は 一晩山で過ごすと人は変わる と言うことからつけられたそうです.この山には20近くの登山コースがあるそうですが,白武洞コース,4時間半を選びました.
急な坂や岩場の少ない比較的上りやすいコースだそうです.7:28に出発.ガレ場を歩きますが,遊石はなく,歩きやすい道です.急なところは階段が作られていますが,これが結構大変です.登山道はガレ場が多いのですが,マットというか,簡易の絨毯というか敷物が敷かれている場所もあり,歩きやすいです.
すぐにオオヤマレンゲが見られ,歓声が上がります.まだ,標高が低く花は散っていましたが,この後たくさん見られるとリーダーが話してくれました.2つの吊り橋や木の橋をいくつも渡りながら,ガレ場や階段を歩きます.
下山する人や登る人で,大変賑わっています.若い人が多いですねと2人の朴さんに聞くと,年寄りはあまり土・日には登らず,比較的すいている平日に登っているそうです.陽が差すと少し暑いです.
1時間あまり歩くと智異山法界寺に着きました.最初は帰りに見物する予定でしたが下山道を変更したとのことで,早速見学です.広い敷地に伽藍が点在しています.日本の寺とは少し違いきれいな彩色と天井からぶら下がっているこれも色とりどりの提灯が見事です.本堂には仏像がなく,背部が空いています.ここで座ると後ろの宝塔が見えるそうです.ほかの伽藍には仏像が鎮座していました.釣り鐘は日本と違い,地上数十cmですが,鐘の下が深く掘られていました.音色を聞きたいものです.ゆっくりと見学,社務所で飴を頂き登山を再開しました. きれいな景色に励まされながら,黙々と歩きます.小学生の女の子2人を連れたご夫婦や早足の人たちや遅足で我々と抜きつ抜かれつの勝負をしているグループなどいろいろです.ただ,日本とは少し違って,すれ違ったときの挨拶が少なく感じました.
登山道はよく整備され,500メートルごとに表示板が立っています.そこに標高も書かれています.ハングル文字がわかれば,とても役に立ったのですが.登っていくと巨石,巨岩の連続です.そこを縫うように歩きます.
昨夜飲み過ぎた順に遅れ始めます.まずは,2名が順に遅れ.体調が良くない筆者も平然とはしていますが,結構きついです.ちょっとだけ多かった方も体調が思わしくないようで,最後尾を歩いてくれる釜山の朴さんに迷惑をかけます. 釜山の朴さんは15年前もサブリーダー達と一緒に登られたそうです.動きはきびきび,すごく気の利く好漢です.休憩するとトマトや餅などをドラえもんのポケットの様にだして配ってもらえます.しんがりは安心です.気持ちよく汗をかきながら岩場やガレ場を登り,あと30分程度と言うところで,最後の休憩です.頂上が見えるところまできたのですが,頂上に続く長い階段も見えます.少し休憩を取って,また,トマトをもらって最後の頑張りです.
長い階段を登り終えると頂上の下に出ました.頂上の石碑前で写真を撮るために長い列ができています.途中で抜いた人や抜かれた人も並んでいます.我々はここで,お昼を食べた後に10mあまりの頂上に向かいます.長い列には並ばず,横の岩場を登り,山頂1,915.4mに着きました.山頂の石碑の裏で集合写真を撮りました.
ここで,釜山の朴さんは元来た道を帰り,車を我々の下山口に回してくれます.リーダーはほとんど先頭で登り,山頂で,マッカリでエネルギーを充満させ,下山道も先頭で導いてくれます.本当に心強い朴さん達です.
登りとは異なるガレ場を下りていきます.快適に歩きますが,結構疲れています.何人かが芍薬甘草湯の世話になります.とてもよく効くようで,飲むと途端に楽になるという話です.やはり,暑くて,脱水状態も出るようです.毎日テニスをしている方も軽い熱中症でたっぷりと水分補給.少し元気が出たようです.
登りでもそうでしたが,小さなリスが走り回っています.さすが国立公園です.登り始めたときには花の散っていたオオヤマレンゲは途中できれいな花が見られました.下山道にもたくさん咲いています.そのほかにもたくさんの花が楽しめました. 帰りは快調と言いたいのですが,昭和27年生まれの3人のペースが上がらず,遅れ気味です.3時間半で下山,釜山の朴さんが回してくださった車に乗って,シャトルバスの乗り場に向かいます.そこで,釜山の朴さんとはお別れです.本当にお世話になりました.
ペンションに向かいます.峠を越えたら早いと言うことで,峠越えに挑戦するのですが,道がよくわかりません.リーダーがペンションの朴さんに電話で確認しながら進みます.やっと峠道に入ったのですが,これがまた細い道で,対向車の来ないことを祈るばかりでした.
順調に進み,少し買い物をして,休んでいるマッカリの醸造場を開けてもらい,マッカリを買い込み,焼き肉の準備をして待っていてくれる「順天湾湿地・仙巌寺散策 組」の3人と合流のため,道を急ぎました.ペンションの朴さんを含めた4人の方に準備をしてもらい,おいしい夕食,焼き肉を堪能させてもらえました. 6月17日 2日目【順天湾湿地・仙巌寺散策 組】: 早朝に出発した智異山登山組を見送り,3名はペンションの朴さん案内でトレッキングという事で全羅南道の順天湾湿地と仙巌寺に行く.
7時30分に朴さんの運転で出発.1時間30分ほど走り南部の海辺の桟橋干潟道立公園の順天湾に到着.世界五大沿岸湿地の一つだそうで28平方キロメートルにおよぶ広大な干潟が遠くの島,町まで続いている.
私達は湿地の側の平坦な道を歩いて行く.湿地には無数のカニ,ムツゴロウが動きひしめいている.湿地をのぞきこみながら3,40分進む.小高い丘の上にある龍山展望台に20分程かけて到着.目の前に広がる湿地の大パノマラ.鷺ぐらいしか見かけなかったが冬場になると貴重な鳥が飛来するそうです.
![]() 展望台を下りて行き木製の橋を渡ると葦原の広がる干潟の上に尾瀬沼のように木製の散策路がありヨシキリの鳴き声の聞こえる中30分程歩く.もと来た道をパーキングに戻った.3時間ほどのトレッキングでした.
定番の数種類の前菜,赤色のお鍋のランチを満喫し,次の目的地である仙巌寺に1時間かけ2時ごろ到着.
高野山や,比叡山のように山全体が寺.土曜日と言う事でたくさんの人.トレッキングスタイルの人もたくさんいました.駐車場から川沿いの参道.樹齢数百年の樫,銀杏,栗の木のグリーンのトンネルを15分歩く.百済時代に創建されたそうで,あちこちに伽藍があり,漢字で修行中と書いているとこもありました.休み休み見て回り,多分もっと奥もあったと思うが帰ることになった.
4時ごろパーキングに到着.歩数計を見ると20,000歩に.急登は無いがそれなりにアップダウンがあり,疲れました.そして1時間半かけ帰途.
6月18日 3日目: 前日の智異山(チリさん)登山で足が痛い,久々の筋肉痛である.
5時起床,6時朝食 パン,ハム,目玉焼き,野菜,コーヒー,フルーツの定番メニュー.今日も天気が良い.朝方は涼しくて気持ちが良いが段々暑くなるのである.韓国には日本の梅雨のような状態がひと月位後に来るらしい.
レンタカー2台に分乗して,ペンションの朴さんを加えた11名で7時半頃に出発.先ずペンションのある町全体を一望できる展望台に案内してもらった.地元の朴さんの詳しい案内にしたがって,かなり狭い道路を30分程進む.8時,展望台到着(650m).対面の山々との間に大きな川があり,雄大な景色が出現した.パラグライダーの発進場所がある見晴らしのよい所である.風向きを考慮して2カ所に飛び立つ場所が作られていた.逆風の時でも飛べるように上手く考えている.
次に海上公園を見学して,今日登る山に向かう.11時過ぎ到着,日曜日でそれなりに登山客は多い.リーダーに教えてもらったのは「亀在峰 グチェボン 530m」と言う山である.
11時30分登山開始,登山道は良く整備されてあり,木の階段が長い.昨日よりは楽ではあるが筋肉痛の身体には辛い.途中に大きな岩に囲まれた寺院(寂滅寳宮と扁額に書いてあった)を見学した.今日も昨日と同様,オオヤマレンゲ(北朝鮮の国花)が綺麗だ.
12時半にほぼ頂上の寺院(扶桑庵)に到着,拝観後さらに上を目指す.ここにある大きな岩は人の脳に似ている珍しい形の岩で,一際目立つ撮影スポットである.
今日の昼食は,街道沿いのレストランでメニューは海鮮丼,みそ汁,ナムル,キムチである.あっさりしていて日本人の味覚に合うと思った.
次に向かったのは,棚田見学です.日本にあるのと同じで特別珍しいとは思えないのであるが,老若男女,大勢の見学者が来ている.ここは行政の支援があって整備されているとの説明を聞いた.観光地なのかな?
今日の活動はほぼこれで終了,帰路に着く.一旦,ペンションに帰り,全員がマッコリを飲めるように,歩いて夕食に向かうこととなった.田舎町でタクシーは恐らくないと思う.歩くしかない.片道30分程2km位は歩いただろうか.途中に日本統治時代の木造の建物が保存されていた.営林署関係の建物ということだった.翌日見学するつもりでいたが残念ながら失念してしまった.
今日の夕食は,町か村か良く分からない所に何軒かある店だった.段々と韓国料理に馴染んできて料理が旨い.ナムル,キムチはお代わり何回でもオーケーみたい.マッコリはリーダーのチョイスで本当に飲み易い美味しいものを出してもらった.
帰って,3カ所あるシャワーで汗を流し,「ご苦労さん会」の後に就寝.毎日よく寝られます.満足の1日を過ごさせてもらった. 6月19日 4日目: 7時20分にお世話になったペンションを出発し,今夜の宿泊先釜山にむかいます.泊まった町が展望できる所まで登って景色を楽しみ,高速道路で統営(トンヨン)に向かいました.
9時10分に韓国のナポリと呼ばれるトンヨンに到着しました.トンヨンには李氏朝鮮時代に朝鮮水軍の総司令部の統制営が置かれ,多くの建物が残っており,中でも統制営の客舎である洗兵館(センビョングァン)は,極彩色の天井で心地よい風が通りずっと寝ていたい所でした. 港には龍の頭の付いた船があり,港の景色を楽しみました.近くの魚市場には色々な種類の魚が売られており,活気があります.市場の奥の狭い路地の先にある,地元の人しか絶対に知らない小さな食堂に入り,美味しいフグのスープなどを楽しみ,その後eマートで買い物をして13時から本日の宿泊地釜山に向かいました.
橋やトンネルが続き釜山のホテルに16時に到着しました.ホテル近くの多くの鮮魚を商うジャガルチ市場を見学し,近くの店で美味しいチゲ鍋を食べ,ロッテマートでお土産を仕入れた後はホテルでマッコリを楽しむ,充実した一日を過ごしました.
6月20日 5日目: 今日はいよいよ帰る日となりました.天気は今日も晴れで暑い.
朝6時半にホテルを出て,近くにあるリーダーお勧めのシジミスープで有名なソムジガンというお店に行きました.シジミがたっぷり入ったあっさり味のスープと,真っ赤な色をした大根と鯖を味噌で煮込んだ物が大皿で出てきて,食べるととろける様に柔らかかったので,皆美味しく頂きました. >
この後,近くにある龍頭山公園(釜山タワー)に行く.公園までの登りには長~いエスカレーターがあり,早朝から動いていたので楽でした.ここでぶらぶら散歩して,次は地下鉄に乗って,朝鮮通信史歴史会館へ行く.開館は9:00からだったので少し待ってから入る.
1Fは展示室で2Fは通信使が江戸に入って行く行列を再現する映像施設となっていた.部屋の壁3面を使ったスクリーンがくるくると廻っていたので面白かった.また2Fから外に出ると朝鮮時代の建物が残されていた.
見学を終えてホテルに戻る.帰りはバスに乗る事になった.車がたくさん走っていたので,ホテル迄どの位の時間がかかるのだろう?と思っていたがバス専用レーンだったため早く戻れた.
ホテルで荷物を持って10時50分出発.空港とは反対方向にある干し鱈料理有名店に行く.例会最後の食事に出てきたのは,大皿の下に干し鱈(蒸してある)その上にモヤシがざっくりとたくさんのっていて,一番上に店の特製ソースがどっさりのっている.これを崩して,かき混ぜて食べるが,量が多く食べきれなかった.
朝もお腹いっぱい,お昼もお腹いっぱいになりました.行った所は全てリーダーが調べて案内して下さいました.大変お世話になりました. さて飛行機の時間も迫ってきているので,レンタカーを返してから空港でリーダーと最後のマッコリを一口頂いてお別れをしました.今回は3人の朴さんのあたたかいおもてなしと気遣いに感謝します.また,サブリーダーをはじめ皆様とも楽しい時間を過ごす事が出来て,本当に有難うございました.
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