Latest update: February 17, 2021
深山 790m:2019年1月6日
参加者:浅野目夫妻、保木本、磯部、姫田(記)

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 昨年の12月、愛宕山に登れたら参加をさせて頂く事を決めて臨んだ深山(みやま)ハイク。
 集合場所のJR園部駅は時雨れて、厚い雲で覆われていた。気温も1℃ぐらいしかない様な寒さだったが、ワクワクとドキドキが入り混ざりながら迎えに来て下さった車に乗り込んだ。10分ほど走った所のデカンショ街道を進む時にはワイパーが右に左に忙しく動くようになった。そこから15分ほど走り、登山口がある「ささやまの森公園」に近づくにつれ桜並木が続き、「春になったら隠れた花見が見所の場所だね!」と車中で話合いながら現地までもうすぐの車を走らせる。
 公園の駐車場に車を止め、先ほどの雨量ではないものの依然としてどんよりした天気に変わりはなかった。10時頃に登山口に到着。辺りは真っすぐにそそり立つ松林の光景を目にしながら歩き進む。昨年の9月の台風の後はどこの山の足元も木々の葉で散らかっているが針葉樹の葉は比較的歩きやすい。女子3人でぺちゃくちゃと話をしながら歩くのは楽しいなと思っていた所に、「ザザッ!」右から左に鹿が横切るのが見えたと思ったら、その後をバンビが追いかける。囲いの無い所で鹿を見たのは奈良公園のシカぐらいしか思いつかないが、大自然の中で生きる鹿を見るのは初めてだったので、自然の中に自分が身をおいている事にちょっとした違和感と感動があった。

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 足元が作りっぱなしのアスファルトから地道に変わり、椿がぽつんと雪時雨が降る中咲いているのをどなたかが見つけてくれた。この場所は、椿で有名なことを浅野目奥様が教えて下さった。いつもは音楽を聴きながら黙々と辺りを見ないで歩いている事が多いが、皆と一緒に歩くと気付かない発見を教えてくれるのは楽しい。足元の葉は朴葉の落ち葉や広葉樹に変わり地面の土が見えないほどビッシリと覆いつくし、しかも雪時雨や雨のせいで濡れてつるつると滑りそうな落ち葉の地面を歩く上に高さ2、3mしかなくても30℃はありそうな傾斜を足首にグッと力がを入れて、ベテラン陣に必死に着いて歩き進む。足元の道幅は、道なのかなんだか分からない所を滑りそうになりながらヒヤヒヤして歩き、ズベッ!とやっぱりコケて汚れた手を小川の水で洗う事にも楽しさが湧いた。少しの休憩を終えて歩き登ると「沙羅の森」開園十周年と書いてあり、このサラの木(川原のナツツバキ)は6〜7月に咲く椿で本樹を篠山市指定文化財(天然記念物)に指定し保存を図る椿らしいです。

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 この辺りから雪が地面にチラホラと苔のように乗っていて、ここからなだらかな傾斜を100mほど登って稜線に着きます。東を向いて深山山頂を目指します。尾根づたいに頂上目がけて歩き進むにつれ、風雪の量が増して、浅野目さんが「いきなり上級者やな!」と言い、えーー!!そうなのーー!?と思いながら気を引き締めて、足元の雪がキュッキュと鳴って、いつ以来かの新雪の感触を味わいながら歩く。今度は保木本さんが、樹氷だよと教えて下さった。現物の樹氷を見るのは多分始めてだったので、割と低い山でも見られるもんだなーと思いながら、止まると寒いので、しみじみと思いふける事もなくひたすら歩いた。山頂目前の小高い丘の様な場所まで来た時には横殴りの雪と風で、背丈まであろうかと思うほどのススキを払いながら登り終えたかと思うと、今度は滑って転げ落ちそうな片側は崖の様な坂がある足幅15cmほどのつたない道を恐々としながら身体を丘側に傾けながら進み、やりました山頂到着!

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 悪天候でも周囲の山脈がうっすらと水墨画の様に見えて、一人取り残された様な寂しい感覚と大大大自然を感じられ何とも不思議な感じを味わう。山頂には不似合いな造形物の片隅で避けきれない風雪に耐えながらのお昼ご飯。まさか、風雪の中での昼食だとは思いもしなかったので、浅野目さんが熱々のコーヒーをごちそうして下さっのには本当に本当に美味しくて何とも癒される香りと身体を温めてくれる飲み物に生きた心地がした。
 昼食時に合流した磯部さんの食事もそこそこに、元来た道を「走って下りるで!」と浅野目さんが言い、ひたすら歩いて下る。ひたすらひたすら下りて下って下まで戻って来た時に、先を行っていた浅野目さんがひょこっと横から現れる。朝来た時には辺りもそこそこしか見ていなかったが、公園内は子供たちが遊べる手作り感が満載の遊具や彫刻がいっぱいあり、イベントもたくさんしているみたいです。

 初めての例会に参加させて頂いて、メンバーの皆様にはお世話になりました。深山は、新しい感覚と感動を与えてくれる、ちょっとヒヤヒヤ、ドキドキなアスレチックの様な楽しい山でした。
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